【祝・聖女降臨】連載:2030年代の日本のオリエンテーリングを占う
第2回 聖女の日本国内での活躍を予想(小学校時代)
(2016年1月3日 掲載)
前回の記事から随分と時間が経ってしまいました。
当ホームページは少数のスタッフで運用しておりますので遅れはご容赦下さい。
チーム作りの天才の実の娘の活躍を予想する「祝・聖女降臨」特集、
前回は聖女の海外での活躍を予想しました。
これから3回にわたり
多くの皆さんにとってより身近な日本国内の大会での活躍を予想していきます。
今回はまず小学校時代です。
少ない競争相手 「凄さ」のPR方法が課題
日本オリエンテーリング協会(JOA)の
競技規則および関連規則類のガイドライン
によれば、小学生(女子)用のクラスとして
11-12歳が出場するW12と10歳以下の選手が出場するW10を用意することとなっています。
全ての大会でこのルール通りのクラス設定がなされるわけではありませんが、
JOAが主催・公認する大会ではこの規則が適用されます。
これらのクラスにはどれくらいの参加者がいるのでしょうか。
最近の全日本大会での実績を調べてみました。
開催年月 | 競技種目・開催地 | W10 | W12 |
2013年3月 | ロング(福井) | 2人 | 2人 |
2013年11月 | ミドル(三重) | 0人 | 0人 |
2013年11月 | スプリント(滋賀) | 0人 | 0人 |
2014年4月 | ロング(長野) | 1人 | 1人 |
2014年11月 | ミドル(埼玉) | 0人 | 1人 |
2014年10月 | スプリント(静岡) | 0人 | 0人 |
2015年3月 | ロング(福島) | 0人 | 2人 |
2015年10月 | スプリント(長野) | 0人 | 1人 |
2015年11月 | ミドル(兵庫) | 0人 | 0人 |
一目瞭然です。W10にもW12にも参加者がほとんどいません。
ならば表彰台は楽勝、聖女が表彰される場面を何度も見られる!
と喜んだアナタ、確かにその通りではあるのですが一つ困った問題があります。
聖女の「凄さ」のPR方法です。
参加者が一人ではオリンピック金メダル級の速さで回ろうと
蟻が這うようなペースで回ろうと同じ1位にしかならないのですね。
これでは観衆に聖女の本当の「凄さ」が伝わりません。
陸上競技であれば比べる相手がいなくてもタイムで「凄さ」を評価できますが、
オリエンテーリングでは距離が同じでも
登りの量や植生、コースの難易度によってタイムが大きく左右されるために
タイム自体の良し悪しを判断するのは現時点では至難の業です。
小山様ファンクラブでは聖女の「凄さ」をいかにPRするかという観点から
3つのシナリオを想定しています。
シナリオ1:人知れず大活躍
ファンクラブが想定する一つ目のシナリオは、
聖女がW10やW12で人知れず毎回凄まじいタイムを出し続けるというものです。
競争相手が1000人いようと1万人いようと確実に優勝したタイムながら、
悲しむべきことに勝負の相手がほとんどいないために
観衆の大多数はその凄さに気づきません。
でも注意深く観察すれば気づくでしょう。
人知れずこんな現象が進行していることに。
全日本大会(ロング)でのW10, W12クラスの優勝タイムの推移。
太字が聖女の成績。
開催年 | W10 | W12 | 聖女の年齢 |
コース距離 | 優勝設定(※) | 優勝タイム | コース距離 | 優勝設定(※) | 優勝タイム |
2013 | 1.7km | 20分 | 27:26 | 1.8km | 30分 | 22:52 | |
2014 | 1.2km | 20分 | 35:03 | 1.5km | 30分 | 26:51 | |
2015 | - | 20分 | 参加者なし | 3.0km | 25分 | 44:18 | |
2016 | 1.2km | 20分 | 34:28 | 2.2km | 30分 | 35:24 | 0歳 |
2017 | 1.4km | 20分 | 35:07 | 2.4km | 30分 | 27:00 | 1歳 |
2018 | 1.1km | 20分 | 46:44 | 1.8km | 30分 | 22:17 | 2歳 |
2019 | 1.1km | 20分 | 45:16 | 1.9km | 30分 | 21:02 | 3歳 |
2020 | 1.2km | 20分 | 39:44 | 1.5km | 30分 | 22:48 | 4歳 |
2021 | 1.4km | 20分 | 34:08 | 1.8km | 30分 | 28:16 | 5歳 |
2022 | 1.1km | 20分 | 21:15 | 2.2km | 30分 | 26:00 | 6歳 |
2023 | 1.6km | 20分 | 13:48 | 2.6km | 30分 | 46:24 | 7歳 |
2024 | 1.9km | 15分 | 12:46 | 2.6km | 30分 | 30:58 | 8歳 |
2025 | 2.3km | 15分 | 11:14 | 2.4km | 30分 | 41:23 | 9歳 |
2026 | 2.8km | 15分 | 10:10 | 2.9km | 30分 | 42:37 | 10歳 |
2027 | 2.8km | 15分 | 50:16 | 3.6km | 30分 | 10:27 | 11歳 |
2028 | 1.3km | 20分 | 39:15 | 3.9km | 20分 | 9:34 | 12歳 |
2029 | 1.4km | 20分 | 26:49 | 3.9km | 20分 | 53:40 | 13歳 |
2030 | 1.2km | 20分 | 26:19 | 1.6km | 30分 | 23:17 | 14歳 |
※「優勝設定」は大会主催者が考える予想優勝タイム。
先に優勝設定があってそれに合わせてコースを組むのが本来のやり方だが、
年少者クラスでこれを行うと実力の無い選手が遭難事故等を起こすリスクが増す。
そこで年少者クラスでは下位の選手の実力に合わせてコースを組み、
上位選手の予想タイムに合わせて
プログラムに載せる「優勝設定」の方を短くするのが通例。
表は優勝設定としてW10が20分、W12が30分を基本にしつつも
前年の優勝タイムを参考に予想を加味してプログラムに記載したと想定。
シナリオ2:オリエンテーリングのタイムを評価する指標が定着
オリエンテーリングはコース距離が同じでも
登りの量、植生、難易度などによってタイムが大きく左右されるので
タイム自体を評価するのは難しいと書きました。
この難題をクリアするヒントは何と小山様の修士論文の中にあります。
詳しくはこちらのページで紹介していますが、
小山様の修士論文によれば
score=
0.5465×道を進んだ距離(m)
+1.000×走行容易な林(地図上の白い部分)を進んだ距離(m)
+1.139×走行可能な林(地図上の薄緑の部分)を進んだ距離(m)
+1.727×走行困難な林(地図上の濃い緑の部分)を進んだ距離(m)
+1.307×登る高さ(m)
このscoreを最小にするルートが最適なルートとのこと。
つまり、例えば「走行可能な林」を1m進むのと
「走行容易な林」を1.139m進むのが同じ、
1m登るのと「走行容易な林」を1.307m進むのが同じ、
といった具合に登る量や植生の良し悪しを距離に換算する式が存在するのです。
このscoreこそオリエンテーリングコースの実質的な長さと考えられます。
scoreが同じなら期待されるタイムは同じ。
scoreが2倍なら期待されるタイムも2倍。
「1scoreあたりのタイム」を用いれば異なる大会・クラスのタイムを比較でき、
参加者がたった一人だけであっても陸上競技と同じように
聖女のタイムがどれくらい凄いのか判断できるようになると期待されます。
これを実現する上での課題は2つ。
一つはコース図を読み込んで最適ルートのscoreを算出する
コンピュータプログラムの作成。
極めて高度なプログラミング技術が要求されますが、
小山様が修士論文研究のために一度お作りになられたものですので
時間さえかければ原理的には作成可能なはずです。
もうひとつの課題は大会主催者からのコース地図提供の慣例化。
現在、日本のオリエンテーリング界では大会終了後に主催者から
LapCenter
というWEBサイトの管理者にLAPデータが提供されるのが通例になっています。
それを使ってレースの反省に不可欠な
LAP解析
というものが提供されます。
同じように「ScoreCenter」のようなWEBサイトが出来て
その管理者に大会終了後にコースデータが提供されるのが通例になれば
scoreを用いた競技成績比較が定着すると期待されます。
シナリオ3:「聖女のタイムにチャレンジ」が定着
オリエンテーリングの大会には「チャレンジクラス」というものがあります。
例えばインカレは学生しか出られませんが、
社会人選手が学生と同じ日に同じコースを走ってタイムを比べる
ことは現在でも多くのインカレで可能です。
もちろん表彰などはなく、あくまで参考タイムという扱いです。
こういうものをチャレンジクラスと呼びます。
小山様ファンクラブが想定する3つ目のシナリオ。
それは全日本大会においてW10, W12のコースを走って聖女とタイムを競う
「聖女チャレンジ」の登場です。
時間帯は選手各自が自分のレースを走った後、表彰式が始まるまでの時間。
W10やW12なら短く易しいコースですから通常はそれくらいの時間で可能です。
とはいうものの聖女に勝つとなるとこれが至難の業。
勝てるのは小山様や尾崎弘和などごくごく一部の超一級名選手に限られ、
大多数の選手は聖女に圧倒的大差で完敗、
すっかり恐縮しきって表彰台での聖女を仰ぐというわけです。
この聖女チャレンジ、10年後の全日本大会の風物詩になりそうですね。
連載記事第3回は聖女の中学・高校時代の活躍を予想してみます。お楽しみに。
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